生理前に関節が痛くなるのはなぜ?PMSとホルモン変動の関係を体の仕組みから考える3つの理由
- オガワセイタイ

- 2020年5月24日
- 読了時間: 7分
更新日:8月11日

「生理前になると膝や股関節が重だるくなる」
「関節がギシギシする感じがある」
「毎月同じ時期に関節が痛くなるのはなぜ?」
——そんな疑問を持っていませんか?
生理前の関節痛は、ホルモン変動・むくみ・筋肉の機能低下が重なって起きるPMSの身体症状の一つです。「毎月同じタイミングで繰り返す」「生理が来ると楽になる」という特徴がある場合、PMSによる関節痛の可能性が高いです。
この記事でわかること: ・生理前に関節が痛くなる3つの医学的理由 ・痛みが出やすい部位と特徴 ・PMSによる関節痛のセルフチェック ・他の病気との見分け方 ・40代で悪化しやすい理由 ・今すぐできる対処法
① 生理前に関節が痛くなる3つの医学的理由
生理前の関節痛には、ホルモン変動が体のさまざまな部位に影響を与えることで起きる複合的なメカニズムがあります。
プロゲステロンによる靭帯のゆるみ
排卵後に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、靭帯や腱をゆるめる作用があります。これは本来、出産に向けた骨盤の準備のために必要な機能ですが、関節全体の靭帯にも影響を与えます。靭帯がゆるむと関節の安定性が低下し、日常の動作でも関節に微細なズレが生じやすくなります。このズレが積み重なることで、痛み・違和感・不安定感として現れます。
むくみによる関節内圧の変化
生理前はプロゲステロンの影響で体内に水分が溜まりやすくなります。関節周囲の組織にも余分な水分が蓄積し、関節包(関節を包む袋)内の圧力が上昇します。これにより関節の動きが制限されて「重だるい・こわばる・違和感がある」という症状が出やすくなります。特に膝・足首・手首など、日常的に負荷がかかる関節に症状が出やすい傾向があります。
👉 生理前のむくみと関節痛の関係について詳しくはこちら
筋出力の低下による関節への負担増加
ホルモン変動は自律神経にも影響し、筋肉の神経系コントロールを低下させます。筋肉の反応が遅くなり・支える力が弱くなることで、本来は筋肉が吸収すべき衝撃や負荷が直接関節にかかるようになります。その結果、膝・股関節・足首など荷重を支える関節に痛みが集中しやすくなります。
② 痛みが出やすい部位と特徴
生理前の関節痛はどの関節にも起こりえますが、特に痛みが出やすい部位があります。
膝
最も多く見られる部位です。靭帯がゆるむことで膝の安定性が低下し、階段の上り下り・立ち上がり・長時間の歩行で痛みや違和感が出やすくなります。「生理前だけ膝がズキズキする」「膝が重い」という方はこのパターンが多いです。
👉 生理前の膝の痛みについて詳しくはこちら
股関節・足首・手首
股関節は「歩くとなんとなく重い」「しゃがみにくい」という症状が出やすく、足首は「捻挫しやすい」「不安定に感じる」という形で現れることがあります。手首は「物をつかむ時に違和感がある」「細かい作業がしにくい」という症状が出ることがあります。
👉 膝・股関節まで広がる関節痛について詳しくはこちら
③ PMSによる関節痛のセルフチェック
以下の項目に当てはまるものはありますか?
□ 毎月生理前の決まった時期に関節が痛くなる □ 生理が始まると数日で痛みが軽くなる □ 関節痛と同時にむくみ・だるさも出る □ 複数の関節に痛みが出る □ 痛みの場所が毎月ほぼ同じ □ 生理前以外は痛みがほとんど出ない
3つ以上当てはまり、かつ生理周期と連動しているなら、PMSによる関節痛の可能性が高いです。「生理が来ると楽になる」という周期性が最大のポイントです。
👉 PMSのセルフチェックはこちら
④ 他の病気との見分け方
PMSによる関節痛は生理周期と連動しますが、以下のような症状がある場合は別の原因が考えられます。
関節リウマチとの見分け方
・朝のこわばりが30分以上続く ・左右対称の関節に痛みが出る ・生理周期と関係なく関節の腫れ・痛みが続く ・複数の小さな関節(指の第2・3関節など)が同時に痛む これらの症状がある場合は整形外科・リウマチ科への受診をおすすめします。
👉 PMSとリウマチの見分け方について詳しくはこちら
変形性関節症との見分け方
・痛みが生理周期と関係なく続く ・動き始めに特に痛い(動作開始時痛) ・関節が変形してきた感じがある ・年々悪化している これらの症状がある場合は整形外科への受診をおすすめします。
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⑤ 40代で関節痛が悪化しやすい理由
「20代・30代はそれほど気にならなかったのに、40代になってから生理前の関節痛がひどくなった」という声は非常に多いです。
ホルモン変動の落差が大きくなる
40代はエストロゲンの分泌が全体的に不安定になり、生理前後のホルモン落差が拡大します。靭帯のゆるみ・むくみ・筋出力低下の程度が強くなるため、関節痛も悪化しやすくなります。
筋肉量の低下で関節への負担が増える
加齢に伴い筋肉量が低下すると、関節を支える力が弱くなります。若い頃は多少靭帯がゆるんでも筋肉でカバーできていたものが、40代では筋肉のサポートが不十分になり関節への負担が直接増します。
関節軟骨の弾力性が低下する
加齢に伴い関節軟骨の弾力性が低下し始める時期でもあります。ホルモン変動による影響を軟骨が受けやすくなるため、以前より痛みが強く・長く続くようになります。
👉 40代で生理痛・PMSが悪化した理由はこちら
⑥ 今すぐできる対処法
体を温めて血流・むくみを改善する
関節周囲の血流が改善すると、むくみが解消されて関節の動きがスムーズになります。38〜40℃のぬるめの入浴・腹巻き・足湯などが効果的です。特に生理前1週間は冷えに注意しましょう。
インナーマッスルを意識した軽い運動
関節を支えるインナーマッスルを維持することで、靭帯がゆるんでも関節の安定性を補うことができます。ドローイン(お腹を凹ませながら呼吸する)・四つ這いで対側の手足を伸ばすなど、関節に負荷をかけない軽いエクササイズが効果的です。
カリウムを含む食品でむくみを軽減する
カリウムはナトリウムの排出を促し体内の水分バランスを整えます。バナナ・アボカド・納豆・海藻類などを意識的に摂りましょう。塩分(ナトリウム)を控えることも関節周囲のむくみ軽減に効果的です。
冷えが強い時は温熱ケアを優先する
冷えが強いと血管が収縮して関節への血流が低下し、痛みが悪化しやすくなります。カイロ・電気毛布・膝サポーターなどで冷えを防ぐことが痛みの予防につながります。
👉 冷えと生理痛・関節痛の関係はこちら
まとめ
生理前の関節痛は、プロゲステロンによる靭帯のゆるみ・むくみによる関節内圧の変化・筋出力低下による関節への負担増加が重なって起きます。40代になるとこれらの影響が大きくなり症状が悪化しやすくなります。
・体を温めて血流・むくみを改善する ・インナーマッスルを維持して関節を支える ・カリウムを含む食品でむくみを軽減する ・冷えを防いで関節への負担を減らす ・毎月繰り返す場合や他の病気が疑われる場合は専門家に相談する
「毎月のことだから」と我慢せず、生理周期と連動した関節痛はPMSとして適切に対処することが大切です。他の病気との見分けが難しい場合や症状が強い場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。
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