膝痛の本当の原因は「サボり筋」?
変形性膝関節症を防ぐセルフケア
なぜ膝は痛くなるのか
関節には本来、正常な動きがあります。その動きを支え、守っているのが「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉です。膝の場合は「内転筋」と「内側ハムストリングス」がその役割を担っています。
この2つの筋肉がしっかり働くことで、膝は正常な運動を保つことができます。しかし、どちらか一方、あるいは両方の働きが低下すると、代わりに膝を強く速く動かす筋肉(アウターマッスル)が優位になり、関節が本来とは違う動き方(異常運動)をし始めます。
アスリートの場合はアウターマッスルが強くなりすぎることで起こりますが、一般的な方の多くは、インナーマッスルそのものが弱くなることで同じ状態に陥ります。
「サボり筋」と「ガンバリ筋」の関係
当院では、本来の役割を果たせなくなった筋肉を「サボり筋」、その代わりに過剰に働いてしまう筋肉を「ガンバリ筋」と呼んでいます。
膝の場合、サボり筋は「内転筋」「内側ハムストリングス」です。これらが弱くなると、他の筋肉がガンバリ筋として代償し始めます。一度この使い方が定着すると、日常生活のあらゆる動作でその間違った運動パターンを繰り返すことになり、ガンバリ筋はどんどん硬くなっていきます。筋肉が付着する部分に痛みが出るのは、このためです。
さらにこの状態を長年放置すると、関節内部にも異常が起こり始めます。病院を受診した際に「変形性膝関節症」と診断されるのは、多くの場合この段階です。
膝の痛みの原因が、膝以外にあることも
関節を支える仕組みは、膝だけでなく股関節や足首にも同じように存在します。どこか一つの関節でサボり筋が生まれ、異常運動が起こると、他の関節がその動きを補おうとします。その結果、補っている側の関節に負担が集中し、痛みとして現れることがあります。
そのため、膝が痛いからといって原因が膝だけにあるとは限りません。股関節や足首の状態も含めて、全身のつながりの中で見ていく必要があります。
なぜ手術をしても痛みが再発するのか
痛みを根本的に改善するには、失われた「正常な関節運動」を取り戻すことが欠かせません。手術を受けても半年〜1年後に痛みが再発してしまうケースが少なくないのは、手術によって痛みの原因そのもの、つまり関節の異常運動が解消されるわけではないためです。
正常な運動を取り戻すためには、サボり筋である「内転筋」「内側ハムストリングス」をしっかり働かせることが唯一の方法です。太ももが以前より細くなった、片足だけ内側がやせて見える、といった変化に心当たりがある方は、これらの筋肉がかなり弱くなっているサインです。
膝を支えるセルフケア

膝を支える「内転筋」「内側ハムストリングス」を鍛えるエクササイズを動画でご紹介しています。
日常のセルフケアとして、ぜひ取り入れてみてください。
